追加でちくわに大葉を巻いたものや、レンジで出来るおつまみを出す度に、ネイサンさんは先に摘まんで「Delicious!」と叫んだ。
「ユーミ、美味しいヨ! ぱっとこんな美味いものが作れるナラ、いいお嫁さんになれるネ」
明るく笑って褒めてくれるから、一瞬本気にしかけてしまうけれど。彼は私の無理なお願いに合わせて演技してくれてるだけなんだ……と解っていたから。私もそれに合った偽りを演じる。
「ネイサンさん……褒めても何も出ませんよ?」
「イヤイヤ、ユーミの手料理が食べられるダケでラッキー&Happyだヨ。ボクは幸せものダネ」
にこにこと笑うネイサンさんは、私の肩に腕を回して肩を組んで来たから。ピシッと固まる。
「アレレ? ユーミ、顔が赤いヨ? 熱でもあるのカナ」
辛辣な性格ではあったとしても、ネイサンさんはモデル並みに顔が整ってる。そんな彼に顔を近づけられて……平気でいられるはずもないです。
嫌われていると解っていても、恥ずかしいものは恥ずかしい。
「ユーミ……こっちを向いて、よく顔を見せて?」
ネイサンさんが私の顎に指をかけた刹那――
いきなり肩を掴まれて、後ろ向きに倒れそうになった。



