あなたのヒロインではないけれど







「で……なぜ、ぼくの家での観賞会って流れになるのかが意味不明なんですが」


氷上さんが腕を組みながらため息を着くのも道理。第1チームのみんなが一人暮らしの彼のマンションに押し掛け、派手に騒いでいたから。


一人暮らしには広い2LDKの間取りだけど、中央にあるダイニング兼リビングはメンバーに占拠されてる。


「まあまあ、タカアキ。ミンナでエンジョイすればHappyダヨ!」


早速ビールを口にしたネイサンさんは上機嫌で、親友の肩を叩く。仲田さんは相変わらず日本酒をちびちびやりながら、「単に飲みたいだけでしょ」とチクリ。


「そんなお堅いこと言うなよ。もうすぐアニメの本放送もスタートするし、慰労会ってことにすりゃいい」

「あんたは年がら年中飲む理由を作りたいだけでしょうが」

「おまえだって飲むだろうが」

「私はお付き合いしてるだけ。TPOくらい弁えてる」


相変わらず仲が良いんだか悪いんだか。仲田さんと結城さんはそんなやり取りが日常的。


結城さんいわく慰労会と称したアニメ観賞会は、コンビニでお酒と食べ物を調達して始まった。


だけど、やっぱりお酒が進むと足りなくなるのがおつまみで。私は何かないかとキッチンの冷蔵庫を見て、きゅうりとチーズにちくわとハムがあるのを見つけた。


ちくわに細切りにしたキュウリを詰めて、ハムにチーズを巻きピックがわりのつまようじで留める。それを運ぶと、待ってました! とばかりにみんなの手が伸びた。