あなたのヒロインではないけれど




「ハイ、ユーミはココアでよかったヨネ」

「……ありがとう」


あのあとネイサンさんは休憩室に私を連れてきてくれた。午後の休憩時間が終わっているから、人がいなくてホッとする。


今、SS社の女性に会うのが怖かった。


もしかすると阿部さんのように敵愾心を持たれているかと思うと。生来の人見知りに拍車がかかりそう。せっかくかなり改善してきたのに……。


ネイサンさんが渡してくれたココアは温かいのに、持つ両手がカタカタと震える。炭酸ジュースを口にしたネイサンさんは、大きなため息を着いた。


「リングをしてくるって……何を考えてるの? タカアキがモテル以上、ああなるのは容易に判るデショ。マコがアドバイスしたのかもダケド……真に受け過ぎ。ユーミ、もっと、自分の頭で考えタラ?いろいろと」

「…………」


本当に、ネイサンさんの言う通りだった。私はすぐに自分の頭で考えずに人に頼りその判断に従おうとしてしまう。


末っ子で甘やかされたからか……というよりも。自分から何かをしない方が楽だから、と流される道を選んできたツケだ。


責任を持ったり結果を出すのが怖くて……なんとなく生きてきた結果がこれなんだ。


自分が情けなくてポロリと涙がこぼれたけど、ゴシゴシと手のひらで強く拭った。