あなたのヒロインではないけれど






たまにはとミラージュのカフェでランチを摂る。はぁ、とため息をつくと、真湖がニヤニヤ笑ってるのが見えた。


「なあに、恋患いかね?結実くん」

「恋患いって……真湖、いつの時代?」


人の恋ばなに目がない真湖に話題を提供すれば、どれだけ尾ひれがくっつくのやら。


真湖には普段からいろいろと相談してるけれど、氷上さんのことを詳しくは教えてない。


でも、そろそろ正直な話はすべきかな……と。久しぶりに今夜の夕食の約束をした。





「ええっ、通い妻してるってマジですか!?」


カジュアルなイタリアンのお店に入った私たちだけど。話してすぐ立ち上がらんばかりの勢いで真湖が腰を上げた。


「ちょ、ちょっと……真湖、落ち着いて。というか座って」


慌てて親友の腕を掴んで、席に着くように促す。不承不承座った真湖は、眉を寄せて私に顔を近づけた。


「あんた、いつの間にそんなことになってたの? なんで話してくれなかったのさ」

「……それは……」


理由を突かれると痛い。だけど……唯一の友達を、これ以上心配かける訳にはいかなくて。こうなったら全部話そう……と腹を括った。


これ以上、一人で抱えるには想いが大きすぎるものになって。いつかパンクしそうだったから。