あくまで、自然に。ごく普通に振る舞わないと。 話題に出されたなら、ちょっとは触れないと変だよね。
「アメリカ……ですか。た、貴明さんは……アメリカに渡航されたことがあるんですか?」
「ああ、あるよ」
貴明さんは特に気負うこともなく、私に頷いてくれた。
「ぼくはアメリカに留学したことがあってね。ハイスクールはあちらに通ってた。ライアンとはゲームを通じて友達になったんだ。もっとも、その頃からライアンはゲームだけでなくアニメやコミックも熱愛する生粋の“オタク”だったけど」
「そうでしたか……」
肩を竦めた貴明さんは当時を思い出したのか、おかしくてたまらないように明るく笑う。
「あいつ、今でこそ天然の女ったらしになってるが、ハイスクール時代はすっごい引っ込み思案で、極度の人見知りだったんだ。自分から人に話しかけることもできないおどおどしたやつでね。一時はぼくを介さないと会話もできなかった」
「ええっ! そうなんですか!?」
思わず目を丸くしてしまう。だって、あれだけ女性慣れしたネイサンさんが、私と同じ人見知りだったなんて。
「そうそう。あいつが変わったのがとあるゲームのお陰なんだ。友達がたくさんできて……だから、あいつは人生を変えてくれたゲームのような素晴らしい仕事に携わりたい、とSS社のアメリカ法人に入社したんだ」



