水族館の中央広場にはオープンスペースがあって、テーブルと椅子で自由に休憩できるようになっていた。
近くには食べ物屋さんが幾つか建ち並び、それぞれ好きなメニューを注文できる。もちろん、店内で食べられるレストランやカフェもあったけれど、こんな天気のいい日は外で食べた方が気持ちいい。
氷上さんはハンバーグ定食を私はバジルとチキンのサンドイッチとコールスローサラダを注文して、出来上がったお料理をトレイでテーブルまで運ぶ。
幸い海が見渡せる景色がいい席が空いていたから、パラソルのあるそこに腰を落ち着けた。
「飲み物はオレンジジュースでよかった?」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
いつの間にか姿を消していた貴明さんは、飲み物を買ってきてくれていた。私が気づかなきゃならなかったのに! と反省しながら、お礼を言って受け取る。
何だか尽くされてばかりで情けない。私から彼になにかをしなくっちゃ……と。今日の一番の目的を思い出し、話を持ち出してみた。
「あ、あの……それで。水族館に来て……なにか思いつきました?」
「まあまあ、かな」
何も入れないでホットコーヒーを飲む貴明さんは、眉を寄せて「やっぱイルカだね」とおっしゃいました。
「アースィがイルカに変身したらどうかな、と思うんだ。やっぱり馬のままだと海の中での行動は制約されるし、不自然だから。魔法か何かで変身できる設定にしたらどう?と考えてる。そうすれば、多少無茶な設定でもイケると思うのだが」



