あなたのヒロインではないけれど




「は~い、皆さんにつかぬことをお訊きしま~す!」


ライトアップされた夜桜が夜空に映え、いい具合にアルコールが入って陽気に騒いでた中。缶ビール片手に真湖が突然言い出した。


「なになに~? 何でも訊いてみなさいよ~ひゃははは」


アルコールが入ると性格が変わる仲田さんが、ケタケタ笑いながら10個目の清酒ワンカップを開く。


「はい~それでは! 結実と氷上さんって職場ではどうですか~?」


思わず、ジュースを噴きそうになった。いきなり何を訊いてるの、真湖は!


「ちょ、真湖! やめてよ」

「いいじゃん、いいじゃん。こんな時でなきゃ訊けないっしょ~。あんた教えてくんないから、他の人に訊くっきゃないじゃん」


開き直りって言うよりも、これが真湖の地だから始末が悪い。そう言われても、自分から氷上さんと何があったかカミングアウトなんて。死ぬほど恥ずかしい。


押し黙るしかない私に痺れを切らしたか、真湖はネイサンさんの肩をポンと叩いた。


「ね、氷上さんはどう? あなた、彼と親しそうだからいろいろと知ってるでしょ」

「イエス! ボク、ロスのハイスクールで、タカアキと一緒ダッタヨ~それ以来の“マブダチ”ネ」


顔を真っ赤にしたネイサンさんが意外な告白をして、驚きから彼を見やれば。ネイサンさんは真湖と肩を組んで有名な曲を歌い出してた。