あなたのヒロインではないけれど








「試作品の評判はすこぶるいい。モニター調査や社内評価も上々で手応えもある」

「リサーチに関しては信頼出来る資料が近日中に揃いそうね。社内プレゼンに向けての書類作成は来週から始めましょう」


SS社のいつもの会議室にて。主任であり今回のプロジェクトの責任者とも言える結城さんの発言に、総務部からのメンバーである仲田さんが応じた。


「最終的な規格の詰めはデザイナーと、それからタイにある工場とで決めます。ちょうど的確な原料のルート確保がそちらでできそうですから」


海外の製造工場等との交渉を担当する氷上さんも加わり、かなり具体的な話し合いが行われていた。


私はと言えば、新しいアイデアを出すためにいろいろと描いたり。試作品のチェックをするくらいで。こんな時何をして良いのかもわからない。


「ユーミ、見て! アニメのデザイン画が上がってきたヨ!」

手持ちぶさたな私を見かねたか、ネイサンさんが私にアニメの資料を渡してくれた。


「あ、ありがとう……」


気を遣わせて申し訳なく思いながらも、アニメの設定資料なんて初めて見るから、ちょっとだけわくわくする。


少し厚い紙を捲ると、クリーンアップされたアースィのキャラクター画が目に入った。


「すごい……」


感嘆するしかない。


私のイメージした通りのアースィが、生き生きした躍動感溢れるポーズで描かれていて。これがプロなんだ、と感動を覚えた。