「はい、じゃあ有栖川さんはいってください。」


カーテンの向こうからお医者さんの声が
聞こえてきた。


「こんにちは〜。」

「はい、こんにちは。今日はどうされました?」


優しく尋ねられ、頭が割れそうに痛いと
答えると

「……。昨日の疲れが出たんでしょう。
念の為お薬出しておきますね。」


ん、一瞬お医者さんの表情が歪んだような気がするけどどうしたんだろうか。


「はーい、ありが「大丈夫なんですよね?」


私の言葉にかぶせるように
母親がお医者さんに向かって尋ねた。


「はい、お薬を出しておくので
心配しないでください。」


「お母さん、私は大丈夫だよ?
頭が痛いだけだからさ!」



「そ、そうね、ごめんなさいね。
鈴音、お薬もらいにいきましょう。」