〜十数年後〜



「有栖川さ〜ん。次順番ですよ〜。」



うぅ…頭が痛い…
ナースさんの無駄に伸ばした声が
わずらわしい…。

「はい…。」



私は昨日やっと待ちに待った高校生になれたのに
次の日に38.4の高熱を出して寝込み夕方
両親に連れられて病院に来た。



「こちらでまっておいてくださ〜い。」




頭に響く声だな…。



「鈴音、大丈夫?」



隣に座っている母親がすごく心配しながら
私の顔を覗き込んでくる。



「ただの風邪だよ。大丈夫、ありがとう。」




まぁ、そこまで大丈夫ではないけど
こうでも言わないと心配性の母のことだから
母親の研究室に連れて行かれて訳の分からない
薬を与えてくるはずだ。












普通に考えたら怖いよね!?
まぁ、私の母は医学の研究者で
かなり成績を残してるらしくて
テレビや雑誌でも取り上げられるくらい
すごく有名。