「あの…」
「あれ?君…あ!!舜ちゃん?!」
「はっ?!」
バスケ部のきっと先輩であろう人にゆめはどこか聞こうとしたら…なにこれ?
なんで知ってんの?
ーーー舜ちゃん、ってなに。
一気にいらだつ。
舜ちゃんって1番呼んで欲しいのはお前じゃない。
「あぁ!急にごめんな!ゆめちゃんのこと待ってんだよな?!」
「……ハイ。」
「体育館にいるから行けば会えると思うぞ!多分、こうちんの練習付き合ってると思うし!」
「こうちん…?」
「あれ?知らない?黒田航平」
あぁ、一気に心がざわつく。
苛立つ悲しい苦しい辛い……色んな感情が波打ちはじめる。
ーーーー黒田航平と、一緒に…
予想してなかったわけじゃない。
もしかしたらって思ってた。
でも、本当にそうだと予想していてもはるかに苦しい。
心が、ギュッと誰かに掴まれたみたいに苦しくなる。
「あの、なんで舜ちゃんって」
「あー!なんかゆめちゃん携帯見てにやけてたから聞いたんだよね」
「……?」
「こうちんが、舜ちゃんに迎えにきてもらえるからってにやけんなって拗ねてて君かなって」
「っ?!…にや、けて…」
「君もかなり今、にやけてるけど?」
「ささもっさん!なにしてんすか!」
「こうちーん!!!」
波立ってざわついてた心が大人しくなっていく。
ゆめがにやけてた…なんて聞いたら嬉しくてたまんない。
ーーーー黒田航平が目の前にいたってなんとも思わない。
ゆめ、おまえはすごい女だな。
「あれ?お前。」
「ゆめ、どこ?」
「ゆめなら、下駄箱にいる。…お前のこと待ってんじゃん。」
「……サンキュー。」
「なんだよお前ら雰囲気悪くね?とりあえずこうちん帰るぞー!」
「ささもっさんラーメン奢って下さい」
「カツ丼食おうぜ」
「それでもいいっす。」
そう言いながら2人は去っていく。
黒田航平は不服そうな顔をしていた。
ーーーゆめ、ゆめ、ゆめ…会いたい。
気づいたら俺は下駄箱へ向かって走っていたーーーー………

