“航平”この名前を心の中でも呟くだけでイラつく。
全てはこいつのせいで崩れたんだ。
ゆめとの関係も、ゆめの隣というポジションも。
「どうすればいいんだよ…」
「なんで困るの?」
「えっ…?」
「自分が思ってる通りを言葉にすればいいじゃない。」
「それができたら苦労してねぇよ」
「ごっちゃごちゃ頭で考えてるからこうなんのよ!頭じゃなくて心だから!」
「仕方ないだろ!!ゆめは俺から離れたいって思ってるってことだろ!?」
「…じゃあ、ゆめがそう言ったの?それを舜は聞いたわけ?」
ゆめからーーー……ちゃんと聞いただろうか?
ーーーいや、聞いてない。
俺はゆめから“黒田航平”っていう名前が出ていらついて…。
ゆめから直接、仲がいいとか俺と離れたいなんで聞いてない。
でも、バラバラで行きたいって…
「聞いてない…けど、ゆめは…」
「嫌なら嫌でいいじゃない。なにをそんなに悩むの?」
「それはーー………」
「だって、あんたたち“幼なじみ”なんでしょ?」
わざとらしいくらい幼なじみの部分を強調していう姉ちゃん。
あぁ、そうだよ幼なじみだよ。
小さい時から隣に居たんだ。
ゆめと離れるなんて考えたこともない。
ゆめから拒絶されたことだって今まで一度もない。
だからこそ、考えるんだ。
ゆめが俺から離れたがっているのなら離すべきなのかと。
でも俺は、離れたくないんだ。
ゆめの隣は俺の一番の安心できる場所だから。
俺の居場所だから。
ーーーー離れる?
無理に決まってる。
誰にも俺の居場所はとらせない。
俺が認めたやつしか譲りたくないこの居場所を。
だから無理だ、黒田航平。
俺はお前を認めることはない。
「姉ちゃん、サンキュ。」
「答え、出たんだ?まぁ肝心なとこは出てなさそうだけど」
そうクスリと笑って部屋に行く姉ちゃん。
姉ちゃんに相談してなかったらウダウダ悩んでたんだろうなぁ。
きっと、ゆめを傷つけてたんだろう。
俺は、ゆめにラインを送る。
俺が思うままに。
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それは出来ない。
ゆめの隣は俺の場所だから。
おれが認めやつしか譲らない。
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こんな勝手でごめんな、ゆめ。

