「よぉ、遅かったじゃん。」

遅かったじゃん、って。
チャイム鳴ってからすぐ来ましたけど。

『そりゃあ青山君は授業サボってんだから誰より早く来れるでしょうねぇ』


「ちげぇよサボってるわけじゃ」


『じゃあ何してるの?』


「……休憩?」

いや疑問系って。こっちが聞きたい。


「でも咲坂は偉いよなー、部活もやって。授業も出て。友達もたくさんいて。」


…なんて答えればいいのか分からない。

だってこの人、青山涼也はとある事情で友達作りができなくなった。
授業にも出られない。
正確に言うと、教室にはいれない。
それは先生に怒られたからー、とかそんなくだらない理由じゃなくて。


『青山君だって、教室来たら友達たくさんできるよ』

頭良し。顔良し。運動良し。

モテ要素の塊、それが青山涼也。

私の、好きな人。