時は十数年遡る。



正都との出会いは、幼稚園の頃。

家が隣だったけど、ちょこっと話すくらいで。


小学生になると私たちは毎日いっしょに学校へ歩いていく。
正都は前で、私が後ろ。

いつしかお互いの家も行き来するまでに仲良くなっていった。




ある日、正都の部屋でいつものようにはしゃいでいた時。


「あのね…」


正都が急に私を見て


「おれ…はるかのこと、好きかもしれない」



そう言った。




当時の私は、恋というものがどういうものなのか知らなかった私は


「……ごめん、今はちょっと…」


と、勢いで言ってしまった。





それから正都との距離が出来た。







一向に遊んでくれなくなったし、嫌われたんだと思った。




正都に嫌われたんだと、認めるのが辛かった。


その時に、気付いた。






私…




正都が好き。












私の初恋は、ここから始まった。