まあ、 今さらくよくよしても仕方ないか。 ただただ嘆いていたら あの人との思い出も全部 消えちゃう気がする。 探そう。 私の通う学園は 長くて急な坂道を登りきった先にある。 1番下の交差点が 私たちの待ち合わせ場所だ。 そこじゃ確かにストラップはあった。 だから そこまで戻っていけば 見つかるだろう。 せっかく登ったのに 戻らないといけないのか…… なんて愚痴は言ってらんない。 「絶対に見つける」 私は立ち上がり、 周りの人と逆方向に歩き出した。