緒川支部長はさっきから、日替わりランチのトマトをつついてぼんやりしている。
(愛美、昨日も何も言ってこなかったな…。)
突き放してみれば愛美の方から会いたいと言ってくれるのではないかと思ったのに、愛美はなんの反応も示さない。
(元々、仕事中は俺に見向きもしないけど、仕事終わっても何も言って来ないなんて、ホントに俺、嫌われたのかも…。)
浮かない顔をしている緒川支部長の向かいの席では佐藤さんが、緒川支部長の皿の上のトマトを眺めていた。
「どうかしたの?トマト嫌いだった?」
「いや…。」
緒川支部長は慌ててトマトを口に入れる。
「もしかして、また菅谷さんの事考えてた?」
「別に考えてない。」
目をそらしてサラダを口に運ぶ緒川支部長を見て、佐藤さんはおかしそうに笑う。
「そう?菅谷さんとオーナーはホントに仲良しなのね。オーナー、今日もお弁当届けに来てたし。今日のおかずは菅谷さんの大好きなタケノコ入り肉団子の甘酢あんかけだって。」
「ふーん…。」
(聞こえてたから知ってるよ!それが愛美の好物だって事は知らなかったけどな!!)
付き合っていても、愛美の好きな食べ物は果物くらいしか知らない。
苦手な物は、甘いお菓子や飲み物とレーズン。
それから緒川支部長。
(苦手というか嫌いって言われたんだっけ?)
付き合い始めて間もない頃に愛美が言っていた言葉を思い出して、緒川支部長はガックリと肩を落とした。
(仕事中の俺、愛美に嫌われてるんだよなぁ…。わかってるけど…なんかヘコむ…。)
(愛美、昨日も何も言ってこなかったな…。)
突き放してみれば愛美の方から会いたいと言ってくれるのではないかと思ったのに、愛美はなんの反応も示さない。
(元々、仕事中は俺に見向きもしないけど、仕事終わっても何も言って来ないなんて、ホントに俺、嫌われたのかも…。)
浮かない顔をしている緒川支部長の向かいの席では佐藤さんが、緒川支部長の皿の上のトマトを眺めていた。
「どうかしたの?トマト嫌いだった?」
「いや…。」
緒川支部長は慌ててトマトを口に入れる。
「もしかして、また菅谷さんの事考えてた?」
「別に考えてない。」
目をそらしてサラダを口に運ぶ緒川支部長を見て、佐藤さんはおかしそうに笑う。
「そう?菅谷さんとオーナーはホントに仲良しなのね。オーナー、今日もお弁当届けに来てたし。今日のおかずは菅谷さんの大好きなタケノコ入り肉団子の甘酢あんかけだって。」
「ふーん…。」
(聞こえてたから知ってるよ!それが愛美の好物だって事は知らなかったけどな!!)
付き合っていても、愛美の好きな食べ物は果物くらいしか知らない。
苦手な物は、甘いお菓子や飲み物とレーズン。
それから緒川支部長。
(苦手というか嫌いって言われたんだっけ?)
付き合い始めて間もない頃に愛美が言っていた言葉を思い出して、緒川支部長はガックリと肩を落とした。
(仕事中の俺、愛美に嫌われてるんだよなぁ…。わかってるけど…なんかヘコむ…。)



