その店の奥の目立たない席で、金井さん、赤木さん、宮本さん、竹山さんの4人は、コーヒーを飲みながら第一支部の職員たちの声を聞いていた。

「どういう事?宮本さん知ってた?」

「知らない。」

「病院って…足を捻挫した時よね?」

「菅谷さんが妊娠って…なんかおかしな話になってるけど…。」

「菅谷さん、ホントにオーナーと結婚するのかしら?」

4人は首をかしげたり腕組みをしたりして考える。

「支部長はこの事知ってると思う?」

「さぁ…。」

「もし支部長が知ったら、ショックでおかしくなるんじゃないの?」

「支部長、菅谷さん好きだもんねぇ。」

「もしかしたら…菅谷さんとオーナーが結婚するの知って、佐藤さんに乗り換えたとか?」

「まさか…。仕事で同行してるだけでしょ。」

「昔付き合ってたとか言ってたし…。それに、支部長が私たちに同行して外で一緒に食事なんかしたことある?」

「……ないわね。」

「前に菅谷さんに好きなタイプを聞いた事があるんだけどね。決まった時間に仕事終わって早く帰って来られて、休みの日は休めて、一緒にいてくれる優しい人がいいって。」

「支部長と正反対…。」

「オーナーもそうじゃない?」

「そこはでもホラ、自分の店だから。人も雇ってるんだしなんとかなるんでしょ?」

「オーナーが有利かしら?」

「支部長、失恋しちゃうかも。」

「とりあえず…確かめてみないと、ホントか嘘かわからないわね。」