ちょうどその頃。

“居酒屋 やまねこ”の隣の喫茶店では、噂好きな第一支部のオバサマたちが“チームミーティング”と称して、モーニングを食べながらマシンガントークを繰り広げていた。

「ねえ、あの噂やっぱり本当なんじゃない?」

「あの噂って?」

「菅谷さんの事よー。」

「ああ、やまねこのオーナーと結婚とか?」

「それに妊娠してるって!」

「オーナーが責任取るって、菅谷さん抱いて病院に連れてったらしいね。」

「最近、菅谷さんヒール履いてないの。靴下とペッタンコの靴履いてる。昨日チラッと覗いた時は、膝掛けしてた。」

「夕べやまねこで飲んでたら菅谷さんがいて、お酒も飲まずに、レモンとか酢の物とか、やたら酸っぱい物ばっかり食べてたよ。」

「やっぱり妊娠?」

「あと、オーナーも一緒になって、ウエディングドレスはこれにしようとか言ってたわ。」

「友達もいてね。式場のテーブルがどうとかお花がどうとか、かなり具体的な事話してた。」

「結婚式の相談してたのね!」

「オーナーは菅谷さんにベタ惚れだもんね。毎日弁当届けに来てるってよ。」

「夕べもラブラブだったもんねえ。オーナー、人目も気にせず菅谷さんを抱きしめたりしてさぁ。途中で店抜けてまで送って行ってたし。」

「子供は3人は欲しいとか言ってたわね!」

「菅谷さん、いい男捕まえたわねぇ。」