オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2

「はぁ…?でも今、これがいいって…。」

「そのドレス、絶対愛美に似合う。よし、ウエディングドレスは決まりだな。」

健太郎は愛美の肩を抱き寄せて、髪にチュッと口付けた。

「…はぁっ?何言ってんの!!ってか離せ!!」

愛美が腕から逃れようとすると、健太郎は逃がさないように更に強く抱き寄せた。

「照れんなよ、俺と愛美の仲じゃん。」

「何それ、頭おかしいんじゃないの!!」

「俺、子供3人は絶対に欲しいなぁ。」

「ふざけんな!!とにかく離せ!!」

由香と武はポカンとして、じゃれる二人を眺めていた。

「ねぇ、私たちなんにも聞いてないけど…二人はいつの間にそんな関係に?」

由香は少し驚いているようだ。

「違うからっ!!健太郎がふざけて勝手に言ってるだけだから!!」

愛美が慌てて否定すると、健太郎は何食わぬ顔で愛美の手を握った。

「え?本気よ、俺。なんなら明日にでも役所で婚姻届もらって来るけど?」

「要らんわ!!」

「あっ、そうか!婚約指輪がまだだったよな。よし、明日買いに行こう。でっかいダイヤついたやつ。」

「それも要らん!!いい加減にしろ!」

高校時代のようなやり取りが懐かしいのか、武はニコニコ笑っている。

由香と武は、愛美と健太郎を見ながら楽しそうに笑って、二人でビールを飲む。

「健太郎はホントに愛美が好きなんだなぁ…。そういうところは昔と全然変わらないな。」

「愛美も相変わらずだよね。懐かない激ツンの猫みたい。」

「高校の時、男子の間では“すがやまなみ”の真ん中取って“やまねこ”って呼ばれてた。」

「あー、だから“やまねこ”かぁ。」