しばらく経つと少し前まで静かだった店内は、仕事帰りのサラリーマンやOLたちで賑わい始めた。
健太郎は厨房に入って忙しそうにしている。
ジュースを飲みながら店内を見回した愛美は、客の中に噂好きな第一支部のオバサマ5人組を見つけた。
驚いて思わずジュースを吹き出しそうになる。
(ゲッ…いる…!!)
声を掛けられると、まためんどくさい事になりかねない。
できるだけ目立たないようにしていようと、愛美は黙って下を向いた。
6時半前、由香と武がやって来た。
由香と武はビール、愛美はウーロン茶を飲みながら、健太郎が用意してくれた料理を食べた。
「それで…相談って何?」
「披露宴の友人のスピーチと二次会の幹事、愛美と健太郎にやってもらえないかなーって。」
「わー…苦手かも。」
「あとね、衣装とか会場のテーブルコーディネートとか、いろいろありすぎて、迷ってなかなか決まらないんだ。写真とかパンフレット持ってきてるから、後で一緒に考えてくれない?」
「いいけど…私の意見なんて参考になるの?」
取り皿の上の鶏の唐揚げに、たっぷりとレモンを搾って口に運ぶ。
「いろいろ見てると、どれがいいのかわからなくなってきちゃうんだよね。これにしようって決めた後で、やっぱりあっちが良かったかも…とか。目移りって言うの?」
「ああ、あるね、そういう事。」
愛美がタコとキュウリの酢の物を口に運びながらそう言うと、背後から健太郎が料理の乗った皿をテーブルの上に置いた。
「テーブルコーディネートには目移りしてもいいけど、他の男には目移りすんなよ。」
「しないよ!」
健太郎の言葉を聞いて、愛美の胸にまた不安がこみ上げた。
(目移り…か…。)
健太郎は厨房に入って忙しそうにしている。
ジュースを飲みながら店内を見回した愛美は、客の中に噂好きな第一支部のオバサマ5人組を見つけた。
驚いて思わずジュースを吹き出しそうになる。
(ゲッ…いる…!!)
声を掛けられると、まためんどくさい事になりかねない。
できるだけ目立たないようにしていようと、愛美は黙って下を向いた。
6時半前、由香と武がやって来た。
由香と武はビール、愛美はウーロン茶を飲みながら、健太郎が用意してくれた料理を食べた。
「それで…相談って何?」
「披露宴の友人のスピーチと二次会の幹事、愛美と健太郎にやってもらえないかなーって。」
「わー…苦手かも。」
「あとね、衣装とか会場のテーブルコーディネートとか、いろいろありすぎて、迷ってなかなか決まらないんだ。写真とかパンフレット持ってきてるから、後で一緒に考えてくれない?」
「いいけど…私の意見なんて参考になるの?」
取り皿の上の鶏の唐揚げに、たっぷりとレモンを搾って口に運ぶ。
「いろいろ見てると、どれがいいのかわからなくなってきちゃうんだよね。これにしようって決めた後で、やっぱりあっちが良かったかも…とか。目移りって言うの?」
「ああ、あるね、そういう事。」
愛美がタコとキュウリの酢の物を口に運びながらそう言うと、背後から健太郎が料理の乗った皿をテーブルの上に置いた。
「テーブルコーディネートには目移りしてもいいけど、他の男には目移りすんなよ。」
「しないよ!」
健太郎の言葉を聞いて、愛美の胸にまた不安がこみ上げた。
(目移り…か…。)



