オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2

中華丼をテーブルに置くと、“政弘さん”は目を輝かせてスプーンを手に取った。

「食べていい?」

「どうぞ。」

「いただきます!!」

“政弘さん”は嬉しそうに中華丼をスプーンですくって口に運んだ。

「美味い!」

「良かった。おかわりありますよ。」

自分の手料理を美味しそうに食べてくれる“政弘さん”を見るたび、こんなところは子供みたいでかわいいと愛美は思う。

(この顔を見てるだけで幸せな気分になっちゃう…。)


食後のデザートに、洗って器に盛り付けたイチゴをテーブルの上に置くと、“政弘さん”がフォークで刺したイチゴを愛美の口元に運んだ。

「自分で食べられますよ?」

「いいから口開けて。ハイ、あーん。」

愛美が少し照れ臭そうに口を開くと、“政弘さん”は愛美の口の中にそっとイチゴを入れて微笑んだ。

「美味しい?」

愛美は口をモグモグさせながらうなずき、口の中のイチゴを飲み込んだ。

「すっごく甘いです!」

「良かった。これ全部愛美が食べていいんだよ?」

「えっ、全部は多すぎます!せっかくだから政弘さんも一緒に食べましょう。」

「じゃあ…。」

“政弘さん”は少し身を乗り出して、口を開けた。

「え?」

「俺にも。」

愛美がイチゴを食べさせてあげると、“政弘さん”は嬉しそうに笑う。

(政弘さん、時々甘えん坊になるな…。そういうところもかわいいんだけど…。)