昼食を終えた緒川支部長は、険しい顔をして給湯室で弁当箱を洗っていた。
(使い捨てじゃない弁当箱…。)
さっき休憩スペースで高瀬FPが不思議そうに呟いた言葉が、なんだかやけに引っ掛かった。
“これ、使い捨てじゃないんですね。”
使い捨てじゃないという事は、これを返すために、愛美と健太郎がまた会うという事だ。
(もしかしてそのために、わざと使い捨てじゃない弁当箱を使ったのか?)
モヤモヤしながら泡をすすいでいると、給湯室横の喫煙スペースから賑やかな笑い声が聞こえてきた。
隣の第一支部に所属している営業職員たちだ。
真面目で堅実な主婦の多い第二支部とは違い、第一支部は派手でやり手のオバサマが多い。
(相変わらず騒がしいな…。)
緒川支部長は、いつになく気に障る大きな笑い声にうんざりしながら、洗い終わった弁当箱を持って支部に戻ろうとした。
「絶対そうだって!!」
「私は幼馴染みだって聞いたけど?」
喫煙スペースから聞こえる大きな声に、思わず緒川支部長の足が止まった。
「あれはただの幼馴染みって感じじゃなかったでしょ!昔付き合ってたんじゃないの?」
「オーナー、菅谷さんの事好きだと思うわ。好きでもない女の子にあんな事しないよねぇ。」
(あんな事ってなんだ?!)
「ねーっ、私も思った!!菅谷さんもまんざらじゃなさそうだったし、あの二人くっつくんじゃない?」
緒川支部長の胸が途端にいやな音をたててざわついた。
(まさか…。)
(使い捨てじゃない弁当箱…。)
さっき休憩スペースで高瀬FPが不思議そうに呟いた言葉が、なんだかやけに引っ掛かった。
“これ、使い捨てじゃないんですね。”
使い捨てじゃないという事は、これを返すために、愛美と健太郎がまた会うという事だ。
(もしかしてそのために、わざと使い捨てじゃない弁当箱を使ったのか?)
モヤモヤしながら泡をすすいでいると、給湯室横の喫煙スペースから賑やかな笑い声が聞こえてきた。
隣の第一支部に所属している営業職員たちだ。
真面目で堅実な主婦の多い第二支部とは違い、第一支部は派手でやり手のオバサマが多い。
(相変わらず騒がしいな…。)
緒川支部長は、いつになく気に障る大きな笑い声にうんざりしながら、洗い終わった弁当箱を持って支部に戻ろうとした。
「絶対そうだって!!」
「私は幼馴染みだって聞いたけど?」
喫煙スペースから聞こえる大きな声に、思わず緒川支部長の足が止まった。
「あれはただの幼馴染みって感じじゃなかったでしょ!昔付き合ってたんじゃないの?」
「オーナー、菅谷さんの事好きだと思うわ。好きでもない女の子にあんな事しないよねぇ。」
(あんな事ってなんだ?!)
「ねーっ、私も思った!!菅谷さんもまんざらじゃなさそうだったし、あの二人くっつくんじゃない?」
緒川支部長の胸が途端にいやな音をたててざわついた。
(まさか…。)



