自分が家事もろくにできないなんて、今まで気にした事もなかった。
だけど、突然現れた幼馴染みの健太郎は、背が高くて顔も良くて、おまけに自分の店を持ち、料理のプロだ。
健太郎が自分の知らない愛美を知っている事に嫉妬を覚えたり、宮本さんたちの“料理ができる男を選んだ方がいい”という言葉に焦りを感じたりする。
(ホントに付き合っちゃおうかなんて言ってたけど…あいつ、愛美の事が好きなのか…?)
緒川支部長が眉間にシワを寄せながら黙々と食べ進めていると、目の前にコトリと湯飲みが置かれた。
「支部長、お茶どうぞ。」
「高瀬か…。ありがとう。宮本さんたちも出掛けたんだな。」
緒川支部長が顔を上げると、高瀬FPも自分の湯飲みをテーブルに置いて椅子に座った。
「支部長、いろいろ気になりますね。」
「…そんな事ない。」
「そんな事ないって…ずっと眉間にシワが寄ってます。」
「あ…。」
高瀬FPに指摘され、緒川支部長はバツが悪そうな顔をして指で眉間をさすった。
「高瀬はさぁ…料理とか家事とかできるか?」
「うちは父子家庭だったし、僕は長男なので、学生の頃は僕がほとんどの家事をやってましたよ。家庭料理は一通り作れます。」
「すごいな…。俺は33にもなって、米も炊いた事ないよ…。」
「あんなのは慣れです。やってみると簡単ですよ。今はネットでなんでも調べられるし。」
高瀬FPはなんともなさそうな顔でそう言うけれど、この年になって自分にもそれができるだろうかと不安になる。
(できないよりは、できるに越した事はない…か…。やってみようかな…。)
だけど、突然現れた幼馴染みの健太郎は、背が高くて顔も良くて、おまけに自分の店を持ち、料理のプロだ。
健太郎が自分の知らない愛美を知っている事に嫉妬を覚えたり、宮本さんたちの“料理ができる男を選んだ方がいい”という言葉に焦りを感じたりする。
(ホントに付き合っちゃおうかなんて言ってたけど…あいつ、愛美の事が好きなのか…?)
緒川支部長が眉間にシワを寄せながら黙々と食べ進めていると、目の前にコトリと湯飲みが置かれた。
「支部長、お茶どうぞ。」
「高瀬か…。ありがとう。宮本さんたちも出掛けたんだな。」
緒川支部長が顔を上げると、高瀬FPも自分の湯飲みをテーブルに置いて椅子に座った。
「支部長、いろいろ気になりますね。」
「…そんな事ない。」
「そんな事ないって…ずっと眉間にシワが寄ってます。」
「あ…。」
高瀬FPに指摘され、緒川支部長はバツが悪そうな顔をして指で眉間をさすった。
「高瀬はさぁ…料理とか家事とかできるか?」
「うちは父子家庭だったし、僕は長男なので、学生の頃は僕がほとんどの家事をやってましたよ。家庭料理は一通り作れます。」
「すごいな…。俺は33にもなって、米も炊いた事ないよ…。」
「あんなのは慣れです。やってみると簡単ですよ。今はネットでなんでも調べられるし。」
高瀬FPはなんともなさそうな顔でそう言うけれど、この年になって自分にもそれができるだろうかと不安になる。
(できないよりは、できるに越した事はない…か…。やってみようかな…。)



