オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2

お昼時。

愛美は支部の休憩スペースで、営業職員のオバサマたちと一緒に、近所の弁当屋で買ってきた唐揚げ弁当を食べていた。

増産月が終わったばかりのせいか、今日はのんびりしている職員が多い。

宮本さんと竹山さんが手作りのお弁当を食べながら、休憩スペースのテーブルの上に置いてあった“居酒屋 やまねこ”のチラシを眺めている。

「ランチもやるのね。オープンしたらみんなで行かない?」

「たまには外でランチもいいわねぇ。菅谷さんも行きましょうよ。」

「いえ、お昼時は職員さんもほとんど出られてますし、私はそんなに長く支部を留守にする訳にはいかないので…。」

「そう…残念だわぁ。」

「菅谷さんのお友達のお店なんでしょ?」

「そうなんです。私はランチには一緒に行けないけど、皆さんはぜひ行ってやって下さい。」

愛美がそう言うと、宮本さんと竹山さんは愛美を見て笑った。

「大人になっても仲良くできる幼馴染みがいるっていいわね。」

「仲良くって言っても…会ったのは成人式の日以来ですよ。その前も高校の卒業式以来会ってなかったし…。」

「そうなの?ホントに付き合っちゃおうかなんて言ってたけど、付き合うの?」

「まさかっ、付き合いませんよ!!」

愛美が慌てて否定すると、宮本さんが楽しそうに身を乗り出した。

「あらー、どうして?料理上手なイケメンなのにもったいないわよ?」

「いい旦那さんになりそうなのにねぇ。」

「旦那さんって…。」

(ああもう…。主婦はこの手の話、ホントに好きだな…。ときめきに飢えてるのか?)