二人っきりで甘い週末を過ごした翌日。


いつも通りの月曜の朝がやって来た。

朝礼を終えて少し経った頃、支部に健太郎がやって来た。

健太郎はいつものように愛美にお弁当を渡しながら、ものは相談なんだけど、と言って、愛美の隣にしゃがみこんだ。

「ここの支部限定で、弁当の配達始めようかと思って。」

「この支部限定?なんで?」

愛美はパソコンで支社からの新商品に関する業務連絡を確認しながら尋ねる。

「先週、うちの店で歓迎会やった時にさ、ランチに来てくれって言ったんだけど、それがなかなかねって言うから、なんでか理由を聞いてみたんだよ。」

「で、その理由はなんだったの?」

「隣の支部のオバチャンたちが陣取って、おしゃべりしながら長居してるじゃん?それが居心地悪いんだってさ。それでなかなか席が空かない時もあるし、席が空くの待てないって。」

「あー…それはわかるかも。」

少しおしゃべりな堅実な主婦の集まりのような第二支部の職員は、派手で噂好きでおしゃべりな第一支部の職員がどうも苦手らしい。

「それに愛美はいつも俺の弁当で羨ましいって言ってたから、だったらやってみようかと思って。朝のうちに注文した人の分だけお昼前に届けるって、どうだろう?」

「いいんじゃない?自分でお弁当作ってくる人もいるけど、毎日買いに行く人もいるから。とりあえず、支部長に話してみたら?」

「そうだな、OKだったらここの人たちの好きなものとか苦手なものとかもリサーチしたいしな。ちょっと聞いてみるか。」

健太郎は立ち上がって、支部長席に向かった。