それからしばらくして、“政弘さん”が車で迎えにきた。
どこに行こうかと相談して、たくさんのショップが軒をつらねるショッピングモールへ行く事にした。
付き合い始めてから、何度か映画や美術館などに行った事はあるけれど、休日を二人で過ごすのはどちらかの部屋が多く、一緒に買い物に行くのは初めてだ。
ショッピングモールに着いて駐車場で車を停めた“政弘さん”は、愛美に細長い包みを差し出した。
「これ…?」
「一日遅れたけど…誕生日おめでとう。」
プレゼントは要らないと言ったのに、誕生日を忘れていた事を気にしてくれていたんだなと、愛美はそれを受け取った。
夕べはプレゼントを用意していないと慌てていたのに、今これがあると言うことは、迎えに来る前に買ってきてくれたのだろうか?
「もしかしてこれ…今、買ってきてくれたんですか?」
「うん。買ってきたのは今なんだけど、お客さんの店に挨拶に行った時にね…ショーケースの中に並んでて…。」
お客さんの店という言葉に反応して、愛美はまた少しだけ意地悪をしたくなる。
「…佐藤さんと指輪選んでたって噂になった時ですか?」
「うん、まぁ…そんな噂が広まるとは思ってなかったんだけど…結果的にそうなった。」
バツの悪そうな“政弘さん”の顔を見て、今のはかなり意地悪だったかなと、愛美はうつむいて笑いを堪えた。
「俺は佐藤さんと着ける指輪を選んでたんじゃなくて…愛美にあげたいなぁって思いながらアクセサリー見てたんだよ。」
「そうなんですか?」
「うん…。店先のショーケースでこれ見つけてさ…すごく綺麗で愛美に似合いそうだし、こういうのあげたら喜んでくれるかなぁって。」
「仕事中にそんな事考えてたんですね。」
「仕方ないよ。俺はいつでも愛美が大好きなんだから。…それでもダメかな?」
どこに行こうかと相談して、たくさんのショップが軒をつらねるショッピングモールへ行く事にした。
付き合い始めてから、何度か映画や美術館などに行った事はあるけれど、休日を二人で過ごすのはどちらかの部屋が多く、一緒に買い物に行くのは初めてだ。
ショッピングモールに着いて駐車場で車を停めた“政弘さん”は、愛美に細長い包みを差し出した。
「これ…?」
「一日遅れたけど…誕生日おめでとう。」
プレゼントは要らないと言ったのに、誕生日を忘れていた事を気にしてくれていたんだなと、愛美はそれを受け取った。
夕べはプレゼントを用意していないと慌てていたのに、今これがあると言うことは、迎えに来る前に買ってきてくれたのだろうか?
「もしかしてこれ…今、買ってきてくれたんですか?」
「うん。買ってきたのは今なんだけど、お客さんの店に挨拶に行った時にね…ショーケースの中に並んでて…。」
お客さんの店という言葉に反応して、愛美はまた少しだけ意地悪をしたくなる。
「…佐藤さんと指輪選んでたって噂になった時ですか?」
「うん、まぁ…そんな噂が広まるとは思ってなかったんだけど…結果的にそうなった。」
バツの悪そうな“政弘さん”の顔を見て、今のはかなり意地悪だったかなと、愛美はうつむいて笑いを堪えた。
「俺は佐藤さんと着ける指輪を選んでたんじゃなくて…愛美にあげたいなぁって思いながらアクセサリー見てたんだよ。」
「そうなんですか?」
「うん…。店先のショーケースでこれ見つけてさ…すごく綺麗で愛美に似合いそうだし、こういうのあげたら喜んでくれるかなぁって。」
「仕事中にそんな事考えてたんですね。」
「仕方ないよ。俺はいつでも愛美が大好きなんだから。…それでもダメかな?」



