オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2

向かい合わせになって、手を握り合った。

「一緒に寝るとあったかいな。」

「初めてですね。」

「うん。」

「なんで今まで、泊まろうとしなかったんですか?」

愛美の思わぬ問い掛けに“政弘さん”は少し考えて、愛美を優しく抱き寄せた。

「んー…。それが当たり前みたいな馴れ合いの関係と言うか、けじめがないのもイヤだったし…次の日が仕事だったら、愛美の体調とか仕事に差し支えるかなと思って。」

「差し支える?」

「一晩中寝かせてあげられないかも知れないから。」

「えっ…。」

(一晩中ってまさか…。)

「俺も男だからね…。こんなふうにしてると、やっぱり我慢できないから。正直言うと、俺、今全然余裕ない。めちゃくちゃキスしたいし、しばらく愛美に触ってなかったから、実はすっごく触りたいんだけど…イヤ?」

こういう時の“政弘さん”は、いつもかなりストレートだ。

抱き寄せる手や問い掛ける声は優しいのに、その目でまっすぐに見つめられると、愛美は狼に視線で捕らわれた獲物になったような気がしてしまう。

「イヤじゃない…です…。」

「じゃあ…遠慮なく狼になっていいですか?」

やっぱり聞くんだ、と愛美の口元に笑みがこぼれた。

(いつもは仔犬みたいで可愛いのに、こういう時は優しい狼になるんだもんな…。)

愛美は“政弘さん”の唇にほんの少し触れるだけのキスをした。

「大好きだから、いいですよ。」

“政弘さん”は微笑んで、愛美の髪を撫でながら唇を重ねた。

短いキスを何度もくりかえすうちに、優しいキスが次第に熱を帯びて深くなる。

「優しくしてあげたいんだけどな…久しぶり過ぎて余裕ないから、激しくしちゃうかも。つらかったら言って。」

「……頑張ります…。」