オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2

愛美だって“政弘さん”が佐藤さんと仲良さそうにしているところを見ると、慌てもしたし不安にもなった。

でもどう考えても、激しくヤキモチを妬いて慌てていたのは“政弘さん”の方だ。

「……バカですね。」

少し不器用だけど、一生懸命想ってくれる“政弘さん”があまりに可愛くて、たまらなく愛しくて、そんな言葉が愛美の口から思わずこぼれた。

「どうしようもないバカだって、俺自身が一番わかってる。失いかけて初めて、愛美がいてくれるだけで幸せだって気付くなんて…。」

「遅すぎますよ。やっと気付いたんですか?」

“政弘さん”は迷子の仔犬のように目を潤ませて、愛美の目をじっと見つめた。

「…もう…遅すぎるの?」

「私自身全然知らなかったけど、私、妊娠してるんですか?それで健太郎と結婚するって事でいいんですね?」

「ダメ!!良くないよ!!全然良くない!!」

“政弘さん”は愛美の肩を掴んで、必死で首を横に振る。

その様子がまたおかしくて、愛美は吹き出しそうになるのを必死で堪えた。

「じゃあ、やめときます。」

「うん、そうして。……って…えっと…あれ?妊娠してる事を愛美自身が知らないって…?子供ができた責任を取るって、プロポーズされたんだよね?」

そろそろ本当の事をきちんと話してあげないとかわいそうだ。

愛美はようやく、でたらめな噂の真相を明かす事にした。

「捻挫させた責任は取るって病院に連れて行かれただけですよ。私、いつの間に妊娠したんですか…。」

「妊娠、してないの…?」

“政弘さん”はポカンとしている。

その表情がおかしくて、愛美は笑いを堪えた。