好きにさせて





午後授業が始まる合図のチャイムがなり、みんなストーブから解散する。



「いや〜!今年の初大笑いだわ、ありがとねさくら〜!」


まだ言うか。もうこれ、わたしが悲しみに浸る暇ないじゃんか。



四山 咲来、そう記名されている教科書が置かれている席につくとわたしはため息をひとつ零した。



思い出したくもない、高校一年生になってすぐにわたしは彼氏が出来た、しかし昨日振られた。

もう、付き合って2年目と言える日も見えてきてたはずなのに…別れようと言われたら何も言えないじゃないか。


好きじゃないと言われたらどうしようもないじゃないか。



“好きじゃない”




その言葉を聞くと、いろんな記憶がチラつく。
もう、終わったことだけど。



昨日は彼の家でDVDを観てた、感動モノの映画だった。

わたしは見事、見入ってしまい号泣してしまった、そしたら化粧も崩れるもんでとなりにいる彼が化粧落としたら?と言うから言われるがまました。



そうなれば彼氏にすっぴんを見られるわけで、そりゃあリアクション芸人だったら満点をあげても良いほどの反応をくれた。本当、笑えない。


そう言えばすっぴん見られるの初めてだっけななんて呑気に考えてたら、彼の口から別れの言葉を頂いたのだ。わたしはそれを頂くしかない。




「…あーあ」



マジかよ…長かったのになぁ。


もう一度吐き出したため息は教室の中だって言うのに白く色付いていた。