好きにさせて






「ちょ、さくら〜!集合〜!」


「報告しろ〜」



朝一、登校すればわたしはストーブ前へ拉致られる。



「さくらっち、昨日サボったっしょ〜」

「しかもぉ?男と一緒に早退したんだってぇ〜?」


どこからその情報漏れたんだ。確かにわたしは授業受けるどころの顔じゃなくなったので(泣きすぎて)早退した。ついでに言うと、コトハも(こいつはサボり)早退した。一緒に並んで帰るはめになった。

それだけである。


わたしが質問ぜめにあっていると、ドタバタと足音が教室へ入ってきた。



「聞いて聞いて聞いて〜!!さくらちゃんが佐倉 琴波くんと登校してたの〜!!!」


そう大声を上げたのはクラスメイトの女子である。


「ありゃ!本人いるし〜!どういうこと〜!!」


そしてわたしの存在に気付くと詰め寄る。



「はあ!?まじで?じゃあ昨日一緒に早退した男ってのも佐倉 琴波くん?」


「ちょ、さくらどういうことよ!あれはアタシらが手ぇ出していい代物じゃないぞ〜!」



ざわざわと教室内がその話題で持ちきりになる。




こうなるだろうなぁとは少し思ってたけど、昨日の今日って早すぎねぇか。


「ウチらでさえ、同じ人間という土俵に立てないレベルでしょ〜!」


「さくら、アンタ死ぬわよ」


そこまで言うか。

コトハはあれか?あの、神様とかなんとかそのレベルなのか?



「さくらっち、い〜い?ほら、よ〜く鏡見なさい」


そう言って、手鏡をわたしにしめす友人をわたしは友人と認めたくない。ひでぇ、こいつら本当にひでぇ。



「ウチらみんな佐倉 琴波くんにチョコ渡すって決めてんだからね!」


「さくら横取りすんなよ!」



いや、おめーら同じ土俵に立てないとかなんとか言ってただろ。チョコ渡すのは良いのかよ。



「年に一度!アタシたちが佐倉 琴波くんに声をかけれるチャンスなんだからね!邪魔すんじゃないよ!」



「バレンタインデーのこと?」



「「「「「そうよ」」」」」



怖いっす。何この戦場の兵士みたいな勢い。