好きにさせて





職員室で小さなタンクに灯油を補充する。これ溜まったとき重いんだよなぁ。


先生にバトンパスしてやりたい。
だけど、運良く先生が現れるはずもなくわたしひとりでタンクを抱え廊下を歩く。


廊下では、今年のバレンタインデーは日曜日だの何だのの話題が女子生徒を賑わせていた。


またバレンタインかよ。



「…寒っ」



突如、吹いた風に顔をしかめた。

窓のほうを見ると開いていて、誰かが窓から入ってきた。先生に見られると怒られるぞ。

その誰かはわたしに声をかける。



「あ、四山!一緒に雪合戦でもする?」

「しないわよ」


雪まみれの男子生徒は同じクラスの人だった。



「じゃあ、雪だるまでも…」

「作らないから」



朝っぱらからよくそんなはしゃげるなぁ。わたしなんか雪なんて見たくも触りたくもないわ。



「あーもう、これ教室に持ってって!」



わたしは男子生徒にタンクを押し付けると、逃げる。後ろでなんか騒いでるけど気にしない。




保健室行こう、あそこ暖かいし。