野良猫は膝の上で眠る


不意に目が覚める。


「あっ起きたぞ」

「鈴?大丈夫?」


そんな声が聞こえて顔を少し横に向ければ、そこにはクロと衣鶴先生がいた。

衣鶴(いつ)先生には小さい頃からよく熱を出す私を見てくれる病院の先生。

少し長い髪の毛を後ろで縛り気怠げな様子は変わっていなかった。


「い…つ、せんせ」


掠れた声でそう呼びながら手を伸ばせば、大きな手が優しく握り返してくれた。