「鈴のこと、誰がほったらかしてたって?」
「だからクロが、」
「ほんとにほったらかしてたと思う?一緒に住んでたときも鈴は僕にあんまり会わなかったかもしれないけど僕は鈴の寝顔よく見に行ってた。それは僕の仕事は夜がメインだからだ。鈴にそんな生活に付き合わせるわけにはいかない」
「そんなっ、」
「鈴が一人暮らししだしてからだって心配で気が気じゃなかった。週1回は必ず見回りを入れてたし、鈴にあげたネックレスにはGPSも付けてた」
「…っ」
「鈴にはもう必要なくなったみたいだけどね」
棘のある最後の言葉に胸が痛くなった。
だけど確かに私は勝手に捨てたのだ。
あのネックレスと一緒に、クロのささやかな愛も。

