野良猫は膝の上で眠る

はるside

いつの間にか腕の中で寝てしまったすず。

その寝顔を見つめながら先程のやり取りを思い出していた。

いつもすずは予想の斜め上を行くという…。

族だから嫌われると勝手にしょうもない勘違いをしていたのに。

すずは軽蔑でも、何でもなく、ただそれがどうしたという顔をしてた。

廊下での出来事もそうだ。

あれだけ暴言を吐かれて汚い視線を向けられば嫌になりそうなのに。

実際はそうなのかもしれないけど、
俺の言葉以外どうでもいいって言ってた目はなんだか芯があった。