「綺麗に落ちてるやん。 あ、業者さん?すいませんありがとうございます。 おいくらですか?」 あたしの問に、業者は え?と顔をしかめる。 「いや…」 和義が意味深に呟いて ヨシロウが、それがさぁと続く。 「落書きは終わったわよ。 カワタっちが払ってくれたから。」 「ありがとうカワタ。 ごめんな迷惑かけて。いくら?」 「忘れたからええ。」 カワタはこうなったら頑として金を受け取らない。 有り難や有り難やと礼をしてみんなを見る。 …何、まだなんかあんの?