俺はこいつの反応に気になってチラッと見た。

やっぱり悲しそうにしてた………が、
開き直ったのか、一人でうんうんと頷いている。

……変わったやつ。

あ、気になること聞いてみよう。

「神鳥さんって試験で受かったの?」
試験会場には居なかった気がする。でも別室受験かもしれないし。

そう考えていたが、予想外の答えが返ってきた。

「ううん。特待で。だから入試受けてない。簡単な面接だけだったかな?」

………………特待?

「と、特待?!」

うん。と、答える神鳥さん。

普通にしてるけど神威学園が特待をとった?!
ていうか神威学園って特待とってたっけ?!

あまりの驚きに声が裏返りかけた。


「藍井くんは?」

神鳥さんが俺に問いかける。
"藍井くん"か……

ちょっと新鮮。

「僕?僕は神威の中等部の持ち上がり。」

そう言うと、神鳥さんは驚いている。
……特待の方が驚きなんだけど……

でもこいつは外部からだから神威のことはよく知らないはず。

「特待ってことは、神威のことはまだ何も知らない感じ?」
「うん。特待って喜んでそのままスパーって来たからね。あ、神威のこといろいろ教えて!」

喜んでスパーって来たとかどんなだよ。学力的に危ういの?こいつ。

色々考えながら、うん、と答えようとしたが、突然意地悪したいという気持ちに駆られた。

焦らしたらどんな反応するかな。

「着いてからのお楽しみだよ。」

そしたら、

ぐぬぬ……

とでもいいたいような反応した。

悔しがってる……