なぜか彼女には男っ気が全くないと思い込んでいたわたしは驚きのあまり、彼を見つめていた。
「初めまして。ほのかさんのことは仁美からよく聞いています」
彼はそう会釈した。
「仁美の彼氏?」
わたしはわざと茶化すようにして言った。
「違うから」
即座に否定した仁美とは違い、彼は焦る様子さえ見せない。
「俺はずっと好きなんだけど、全く相手にしてくれなくてね」
好きという言葉を彼はさらりと言う。
おそらく、そのやり取りに一番動揺したのはわたしだ。
「何でそういうことを言うかな。叔父さんに言いつけるよ。いや、加佐崎さんに言いつける。セクハラされたって」
仁美は頬を膨らせてはいるが、口元がゆるんでいる気がした。
「加佐崎さんは陸人の働いてる弁護士事務所の所長さん。わたしも何度かあったことがあるの」
「じゃあ、弁護士さん?」
彼は頷いた。
「何か困ったことがあれば相談に乗ってもらうといいよ。もちろん無料でね」
「仕事がないときならいつでもいいよ。仁美の大事な友達だからね」
松永さんはそう押し通す仁美を嬉しそうに見つめていた。
「初めまして。ほのかさんのことは仁美からよく聞いています」
彼はそう会釈した。
「仁美の彼氏?」
わたしはわざと茶化すようにして言った。
「違うから」
即座に否定した仁美とは違い、彼は焦る様子さえ見せない。
「俺はずっと好きなんだけど、全く相手にしてくれなくてね」
好きという言葉を彼はさらりと言う。
おそらく、そのやり取りに一番動揺したのはわたしだ。
「何でそういうことを言うかな。叔父さんに言いつけるよ。いや、加佐崎さんに言いつける。セクハラされたって」
仁美は頬を膨らせてはいるが、口元がゆるんでいる気がした。
「加佐崎さんは陸人の働いてる弁護士事務所の所長さん。わたしも何度かあったことがあるの」
「じゃあ、弁護士さん?」
彼は頷いた。
「何か困ったことがあれば相談に乗ってもらうといいよ。もちろん無料でね」
「仕事がないときならいつでもいいよ。仁美の大事な友達だからね」
松永さんはそう押し通す仁美を嬉しそうに見つめていた。



