公園の中に入ると、わたしは入り口近くのベンチに腰を下ろす。
まだ辺りが完全に夜の色に包まれる前とあってか、人気はまだ多い。学校帰りや仕事帰りで友人と恋人との待ち合わせに利用しているのか、挨拶を交わし公園を後にする人も少なくなかった。
わたしは辺りを見渡し、彼の姿を探していた。
昼に利用していただけの彼が、夜もここにいる可能性が低い。けれど、わたしが彼に会うにはここしかなかった。
時間の経過とともに辺りは暗くなり、人気も減っていった。だが、彼の姿は公園の中にも外にも見つけられなかった。
昨日も会って今日もあうなんて奇跡に近いのだろうか。
わたしはすっかり冷えてしまった手を温めるために息をかけた。
携帯にメールが届いた。差出人は仁美で、また明日もあるのだから会えなかったら無理せずに帰ったほうがいいと記されていた。
わたしはかじかむ手で彼女に返信して、バッグの中に携帯を入れた。
やっぱり無理なのだろうか。
そう思いながらも、待ち合わせをしている人たちを見るとそっと期待しそうになった。
「あの人ってずっといない?」
顔を上げると大学生くらいとおぼしき女性の集団が興味深そうにわたしを見ていた。
まだ辺りが完全に夜の色に包まれる前とあってか、人気はまだ多い。学校帰りや仕事帰りで友人と恋人との待ち合わせに利用しているのか、挨拶を交わし公園を後にする人も少なくなかった。
わたしは辺りを見渡し、彼の姿を探していた。
昼に利用していただけの彼が、夜もここにいる可能性が低い。けれど、わたしが彼に会うにはここしかなかった。
時間の経過とともに辺りは暗くなり、人気も減っていった。だが、彼の姿は公園の中にも外にも見つけられなかった。
昨日も会って今日もあうなんて奇跡に近いのだろうか。
わたしはすっかり冷えてしまった手を温めるために息をかけた。
携帯にメールが届いた。差出人は仁美で、また明日もあるのだから会えなかったら無理せずに帰ったほうがいいと記されていた。
わたしはかじかむ手で彼女に返信して、バッグの中に携帯を入れた。
やっぱり無理なのだろうか。
そう思いながらも、待ち合わせをしている人たちを見るとそっと期待しそうになった。
「あの人ってずっといない?」
顔を上げると大学生くらいとおぼしき女性の集団が興味深そうにわたしを見ていた。



