ビルの外に出ると短く息を吐いた。もう太陽は半ば沈みかけ、辺りは闇に包まれようとしていた。
仕事を終え、本当なら弾む気持ちで会社を後にするが、今日はどことなく気分が塞ぎがちになる。その理由は彼にお金を借りっぱなしになっていたためだ。
結局、あのまま会社に戻ったこともあり、彼に会うことはできなかった。
わたしの足が何気なく止まった。
わたしの少し先を歩く仁美が足を止め、目を細めた。
「帰ろうか」
頷きかけたとき、あの公園が視界に入った。
十一月といえど、昼間よりもがくんと冷え込んでいた。
ただ、お金の貸し借りという意識があったからだろうか。
これから寒くなる頃合い、彼とはなかなか会えなくなるという意識があったからかもしれない。
「やっぱり、帰りも行ってみるよ」
「明日でいいんじゃないの?」
「少しだけ」
そう強く言うわたしに、仁美は苦笑いを浮かべた。
「寒いから無理しないでね。また、明日以降も会えるチャンスはあるのだから」
わたしは仁美の言葉に頷き、彼女と別れることにした。
仕事を終え、本当なら弾む気持ちで会社を後にするが、今日はどことなく気分が塞ぎがちになる。その理由は彼にお金を借りっぱなしになっていたためだ。
結局、あのまま会社に戻ったこともあり、彼に会うことはできなかった。
わたしの足が何気なく止まった。
わたしの少し先を歩く仁美が足を止め、目を細めた。
「帰ろうか」
頷きかけたとき、あの公園が視界に入った。
十一月といえど、昼間よりもがくんと冷え込んでいた。
ただ、お金の貸し借りという意識があったからだろうか。
これから寒くなる頃合い、彼とはなかなか会えなくなるという意識があったからかもしれない。
「やっぱり、帰りも行ってみるよ」
「明日でいいんじゃないの?」
「少しだけ」
そう強く言うわたしに、仁美は苦笑いを浮かべた。
「寒いから無理しないでね。また、明日以降も会えるチャンスはあるのだから」
わたしは仁美の言葉に頷き、彼女と別れることにした。



