木製のドアを開けると、静かな音楽が耳に届いた。
わたしはお店の奥で手を振る女性に会釈し、近づいてきた店員に待ち合わせをしていると告げた。店員もわたしと亜津子のやり取りに気付いていたのか、亜津子の座る奥の席にわたしを案内してくれた。
わたしは彼女の向かい側に座ると、バッグをイスの横に置いた。
「どうする?」
「コーヒーにする」
亜津子の問いかけにわたしはそう答えた。
彼女は案内してくれた店員にそのままコーヒーそ二つ注文していた。
店員が店の奥に消えると、亜津子は顔を両手の前で合わせた。
「ごめんね。仕事帰りに呼び出して」
「いいよ。どうかした?」
月曜の帰りがけ、ちょうど亜津子に呼び出されたのだ。用事がある、と。
彼女はわたしの会社の近くまで来ているらしく、歩いて五分くらいのカフェで待ち合わせをすることになった。
あのときから日数が少し経過したとはいえ、気まずい気持ちは少なからずある。
だが、それを顔に出さないように努めていた。
わたしはお店の奥で手を振る女性に会釈し、近づいてきた店員に待ち合わせをしていると告げた。店員もわたしと亜津子のやり取りに気付いていたのか、亜津子の座る奥の席にわたしを案内してくれた。
わたしは彼女の向かい側に座ると、バッグをイスの横に置いた。
「どうする?」
「コーヒーにする」
亜津子の問いかけにわたしはそう答えた。
彼女は案内してくれた店員にそのままコーヒーそ二つ注文していた。
店員が店の奥に消えると、亜津子は顔を両手の前で合わせた。
「ごめんね。仕事帰りに呼び出して」
「いいよ。どうかした?」
月曜の帰りがけ、ちょうど亜津子に呼び出されたのだ。用事がある、と。
彼女はわたしの会社の近くまで来ているらしく、歩いて五分くらいのカフェで待ち合わせをすることになった。
あのときから日数が少し経過したとはいえ、気まずい気持ちは少なからずある。
だが、それを顔に出さないように努めていた。



