わたしの心を見透かしたかのように、彼は微笑んだ。
「浦川先輩は俺のこと知らないと思うよ。俺、先輩より三歳年下だから、かぶってないしね」
「三歳? だったらなぜわたしのことを知っているの?」
ちょうど入れ違いで高校に入学したことになる。特別な事情がない限り、ほぼ面識のない関係のはずだ。
「俺、あの高校の近くに住んでいたんだ。そのとき、たまに制服姿の先輩を見かけて、すごく綺麗な人だって思っていたんだ」
「わたしが高校三年のとき、中三だよね。そんなのって」
「でも、実際に覚えていた。中学生のときに見てからずっとね」
彼は得意げに微笑んだ。
年下のものすごい美形の男性にそんなことを言われて、わたしが悪質な詐欺商法にひっかけられようとしていると言われたほうが納得できた。何が起こっているんだろう。
「年上をからかわないでよ」
「からかっているわけじゃないよ。本気だよ」
にっと悪戯っぽい笑みを浮かべる。
だいたいわたしに彼氏がいる。そう言おうとして言葉を飲み込んだ。
わたしはまだ彼の彼女なのだろうか。彼はあれ以来、わたしに連絡をしてこない。最後に彼と話をしたのは婚約破棄の話をされたあの日以降だ。日曜日も彼と約束もなく、家で過ごしただけだ。
「浦川先輩は俺のこと知らないと思うよ。俺、先輩より三歳年下だから、かぶってないしね」
「三歳? だったらなぜわたしのことを知っているの?」
ちょうど入れ違いで高校に入学したことになる。特別な事情がない限り、ほぼ面識のない関係のはずだ。
「俺、あの高校の近くに住んでいたんだ。そのとき、たまに制服姿の先輩を見かけて、すごく綺麗な人だって思っていたんだ」
「わたしが高校三年のとき、中三だよね。そんなのって」
「でも、実際に覚えていた。中学生のときに見てからずっとね」
彼は得意げに微笑んだ。
年下のものすごい美形の男性にそんなことを言われて、わたしが悪質な詐欺商法にひっかけられようとしていると言われたほうが納得できた。何が起こっているんだろう。
「年上をからかわないでよ」
「からかっているわけじゃないよ。本気だよ」
にっと悪戯っぽい笑みを浮かべる。
だいたいわたしに彼氏がいる。そう言おうとして言葉を飲み込んだ。
わたしはまだ彼の彼女なのだろうか。彼はあれ以来、わたしに連絡をしてこない。最後に彼と話をしたのは婚約破棄の話をされたあの日以降だ。日曜日も彼と約束もなく、家で過ごしただけだ。



