「聖はかっこいいし、頭もいいし、運動もよくできたし。昔から本当によくもてていたんです。でも、あなたが別れを告げたのには相応の理由があるんでしょうね。きっとそれは聖に言った、兄と縁を切る話も無関係ではないんでしょうね」
彼女には何も話をしていないのに、すらすらと言い当てられ、わたしは何を言っていいのか分からなくなっていた。
「あなたが一生、聖の傍にいたいと思うなら、わたしはあなたに話をしておきたいことがあります。ただ、聖をアクセサリ替わりに考えているなら、言いませんけど」
「アクセサリだなんて、そんなこと一度も考えたことがない」
茉優さんは目を細めた。
「でしょうね。だったらこんなめんどくさい恋愛を選ぶわけもない。わたしは一人っ子だし、兄弟が普通はどんなものかはわからない。けれど、聖にとってあの人は恩人なんです」
「恩人?」
その言い回しにどきりとして彼女を見た。
「聖のお兄さんはずっと付き合っている人がいたんです。幼馴染の春奈という女性だった」
「彼女だったの?」
「そうらしいです。わたしも人から聞いただけだけど。ただ、二人は別れることになった。それはお兄さんが聖の大学の学費を出すと言い出したから」
「どうしてそんなことに」
彼女には何も話をしていないのに、すらすらと言い当てられ、わたしは何を言っていいのか分からなくなっていた。
「あなたが一生、聖の傍にいたいと思うなら、わたしはあなたに話をしておきたいことがあります。ただ、聖をアクセサリ替わりに考えているなら、言いませんけど」
「アクセサリだなんて、そんなこと一度も考えたことがない」
茉優さんは目を細めた。
「でしょうね。だったらこんなめんどくさい恋愛を選ぶわけもない。わたしは一人っ子だし、兄弟が普通はどんなものかはわからない。けれど、聖にとってあの人は恩人なんです」
「恩人?」
その言い回しにどきりとして彼女を見た。
「聖のお兄さんはずっと付き合っている人がいたんです。幼馴染の春奈という女性だった」
「彼女だったの?」
「そうらしいです。わたしも人から聞いただけだけど。ただ、二人は別れることになった。それはお兄さんが聖の大学の学費を出すと言い出したから」
「どうしてそんなことに」



