紅いワイン


 百合が死亡してから、三ヶ月後のある日。

 高校の卒業式を終えた零は、制服姿のまま

 百合のお墓参りに、芦屋市内にある墓地へやってきた。

「姉さん。許してくれなんて言わないよ」

 零は、白いユリの花を墓に添え、呟いた。