妖の匂い?!
私は驚いて遥の方を見る。
「そんなのわかるの?私、臭い…?」
私が眉を寄せてそう言うと、遥は、ふっ、と笑って「臭くはねぇけど。」と言った。
「…竜ノ神は来ねぇだろ?どうやら、この近くの神社に隠れたままらしいからな。」
遥が、私を見ながらそう言った。
竜ノ神は隠れてるんだ?
確かに、毎回妖を浄化しても、何の手がかりも出ない。
……近くの神社って、もしかしてあの金色の桜の神社かな?
「竜ノ神はいつ出てくるの?」
私が尋ねると、遥は少しの沈黙の後口を開いた。
「……無理やりにでも連れ出すさ。
明日の夜にでも、俺たちは仕掛ける。」
…!
それを聞いて、私は目を見開いた。
“無理やり”?
やっぱり、カンパニーの人間はそういうやり方をするんだ?
こいつにはやっぱり、気を許しすぎちゃダメだな。
私が軽蔑するような視線を送っていると、遥が何かを思い出したように私を見た。



