しかも周くんは、カンパニーが嫌い、というよりも、“九条 遥”だけを嫌っているような気がするんだよね。

ちらちら、と周くんの様子を伺っていると、遊馬が私に向かって声をかけた。


「じゃあ、明日の夜も浄化しに行くからな。

遅れんなよ?佐伯。」


…あ。

明日も仕事あるんだ…?


最近多いな…バイト。


まぁ、生活費は稼げるんだけど…。


遊馬の言葉に、こくん、と頷くと
私は二人と別れて、アパートの部屋へと戻って行ったのだった。


****


ギシギシ…


アパートの階段を登りながら、私は、ふぅ…とため息をつく。


…周くんは、私の部屋の隣に遥が住んでいることを知らないんだよね。

下手に言うと、私まで周くんに悪いイメージ持たれそうで、やだな…。


私は、小さく二回目のため息をつきながら階段を登り終える。

すると、ちょうど同じタイミングで
キィ…、と二階の角部屋の扉が開いた。


……!

…遥の部屋から、誰か出てきた…。


ふいに視線を向けると、そこから出てきたのは、いつか見た暗めの金髪の女性だった。


………!

なんで、遥の部屋から…?