しかも周くんは、カンパニーが嫌い、というよりも、“九条 遥”だけを嫌っているような気がするんだよね。
ちらちら、と周くんの様子を伺っていると、遊馬が私に向かって声をかけた。
「じゃあ、明日の夜も浄化しに行くからな。
遅れんなよ?佐伯。」
…あ。
明日も仕事あるんだ…?
最近多いな…バイト。
まぁ、生活費は稼げるんだけど…。
遊馬の言葉に、こくん、と頷くと
私は二人と別れて、アパートの部屋へと戻って行ったのだった。
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ギシギシ…
アパートの階段を登りながら、私は、ふぅ…とため息をつく。
…周くんは、私の部屋の隣に遥が住んでいることを知らないんだよね。
下手に言うと、私まで周くんに悪いイメージ持たれそうで、やだな…。
私は、小さく二回目のため息をつきながら階段を登り終える。
すると、ちょうど同じタイミングで
キィ…、と二階の角部屋の扉が開いた。
……!
…遥の部屋から、誰か出てきた…。
ふいに視線を向けると、そこから出てきたのは、いつか見た暗めの金髪の女性だった。
………!
なんで、遥の部屋から…?



