「あ、終わったみたいだね。」
周くんの言葉に上空を見ると、夜空に飛んでいた妖がすべて浄化されていた。
遊馬が鬼火銃をネックレスに戻しながら歩いてくる。
「カンパニーの奴らは来なかったな。
あれから一度も姿を見てないけど、なんかあったのか?」
遊馬が私たちに向かってそう言った。
確かに、一ヶ月前に見たっきり、浄化現場に、カンパニーは現れていない。
…私たちとは違うところで妖を狩っているのかな…。
でも、私はカンパニーの奴らにずっと会っていない、というわけじゃない。
なんたって、私のアパートの隣に住んでいるのは、カンパニーの一員なんだから。
その時、周くんが冷たく言った。
「…奴らが来ないのは良いことだよ。
また妖を暴走させられたら怪我人がでる。」
私は、胸がツキ、と痛む。
……周くんは、どうしてそこまでカンパニーのことを、嫌うんだろう?
ただ、敵対しているから、という理由だけではないみたいだけど…。



