百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜




“カンパニーの開発部”…?


そんなものがあるんだ?



私は頭の中で白衣を着た人がたくさん働いている所を想像した。



浄化の力を増大させる目的の品を研究してるとか?



私は、まっすぐ遥を見つめながら、尋ねた。



「…遥の叶えたい“願い”って、なんなの?」



風が、ざぁっ!と窓から吹き込む。


春の柔らかな風が、私たちを包み込んだ。


沈黙が続き、遥がゆっくりと口を開く。



「…本気の恋もしたことないようなガキには教えねぇよ。」



え……?


どういうこと?



すると遥は、トン、と窓枠から空へと飛び出した。


ふわっ、と遥の体が宙に浮く。


私が何も言えずにその姿を見ていると、遥はこちらを振り向いて、ふっ、と笑った。



「あ、お前は周に惚れてんのか。

すっかり忘れてた。」