百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



私は、かぁっ!と頬を赤らめて、遥を睨んだ。


「また、からかって…っ!」


すると、遥は少し目を細めて答えた。


「今のは、抵抗しようとすれば出来ただろ」


っ!


図星を突かれて、私は、ぐっ!と黙り込む。

遥はそんな私に、少し真剣な顔をして近づいた。


「俺のこと、突っぱねてもいいんだぜ?

……本当に嫌なら、しないし。」





………遥……。


私は、きゅっ、と手のひらを握りしめた。

そして、少しの沈黙の後、小さく答える。


「…別に、突っぱねないよ。

…遥とのキス、嫌じゃ…ないし…。」


「っ!」


その時、遥が目を見開いた。

珍しく、動揺するような仕草を見せる。


…?

…どうしたの…?


私が、きょとん、としていると

遥は照れたように頭をかき上げて、ぼそ、と呟いた。


「……っとに、こいつは………

無自覚で煽ってんのが調子狂う……。」


え……?

今、なんて…?


すると、遥は、ぱっ、と私の腕を離して、いつものクールな表情に戻って口を開いた。


「あー、これ以上はダメだ。詠、飯にするぞ

………オムライスな。」


「えぇっ?」


……な……何なの?

この自由人……。


本当に、マイペースなんだから…!


落ち着かない心臓を抑えながら、私はちらり、と遥を見た。


………まぁ、二人でご飯も、嬉しいもんね。


私は、小さく苦笑をして息を吐いた。


遥との“半同居”生活は

まだ始まったばかり………。




*おまけ・完*