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コツコツ……
赤い鳥居に囲まれた石階段。
登るにつれて、過去の記憶が蘇る。
…初めて、竜ノ神と出会った日のこと。
周くんや、遊馬と妖浄化をしたこと。
遊馬が、狐の面をつけられた時のこと。
紺の野望を阻止するために、周くんと出かけたこと。
そして………
遥との記憶。
玄関を開けたら、遥が寝転んでいたこと。
二人で食べた、オムライス。
朝の占い。
遥の背中に乗って、二人で空を飛んだこと。
凛さんの話を聞いたこと。
弱っていた遥を抱きしめたこと。
………別れ際のキス。
すべてが、鮮やかに蘇ってくる。
その時、頭上から話し声が聞こえてきた。
……周くん……?
トン、と最後の石階段を登ると、目の前に琥珀色の髪の毛の人影が見えた。
月明かりに照らされて、綺麗に輝いている。
私は、ふと足を止めてその姿に見惚れた。
周くんは私に気づくと、優しく微笑んで声をかける。
「……来てくれて、ありがとう。」



