百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


驚いて、言葉を失う。


……“竜ノ神の神社”……?

どうして、今さら……?


あの場所は、嫌でも遥の記憶を思い出す。


…一ヶ月前から、寄り付かなくなっていた。


時計を見ると、午後七時。


…こんな夜遅くに……どうしたんだろう?


私が答えを渋っていると

周くんが決意をしたように言った。


『あの日の続きを……話したいんだ。』


……!


“あの日”………。


私は、はっ!と思い出す。

遥と別れた“あの日”。

周くんは、私に“告白”してくれた。


……帰ってきたら、話そうって言って

全然話せていなかった。

私は、ごくり、と喉を鳴らす。


“告白の返事”………ってことだよね?


私は、すぅ、と呼吸をして周くんに答えた。


「……わかった。

すぐに、そっちに向かうね。」


周くんは、私の言葉を聞くと

小さく「…うん。」と答えて、通話を切った。


………ちゃんと………

話さなくちゃ…………

“私の気持ち”を………。


私は、スマホをポケットに入れると、鍵を手に部屋を出た。

そして

二度と近寄ることはないと思っていたあの“神社”に向かって走り出したのだった。